決断が早い人に要注意な理由。トルク思考とスピード思考
決断が早い人は優秀!?
決断が早い人、レスポンスが早い人に持つイメージはデキる人だろう。
スパスパと返事が返ってくるのであれば超絶優秀!
そう思うのは自然なことである。
難しい問題に対してもずばずばっと決断する。
決断力が優れた人というのは、頭の回転が速く超人的な魅力がある。
僕の個人的な体験談だが、先日、決断が早くリーダーシップもそこそこある(ように見える)後輩が、このときはこうだからこうしますね、みたいな決断をかなりスピーディにしていた。
しかし、それが全く様々なケースを考慮していなかったので、待ったをかけたのだ。
「問題はそんなにシンプルじゃない。場合分けのフローチャートを使って、フローチャートに沿って進めて判断するようにするのが正しい。」
後輩の進め方がいささか短絡的だったのでそう指摘した。
そしてフローチャートは僕が作って(時間はかかった)この事態は終わったのだが、ここから学ぶべきことは、決断が早い=仕事ができるではないということだ。
確かに、なかなか決断できずに、「あーでもない、こーでもない」と考える人がいると、こいつは決断力に乏しく仕事ができないやつだ、と評価されがちである。
実際、そういう人と仕事をすると、それは考えても答えが出ない問題だから考えるだけ無駄だよなあというようなこともあるが、よくよく話を聞いてみると色んなケースが頭に浮かんでおり、悩んでいることが多い。
何が言いたいかというと、つまり、この経験から学んだことは「決断が早い人間は必ずしも頭がいいのではなく、物事を深く考えていない」場合もあるということだ。
もっというと問題の一部分しか見えていないので、決断が自ずと早くなっているケースがあるということだ。
こういうと、決断が早いことがデメリットのように聞こえるかもしれないが、もちろん、決断が早いのには価値があることも真実である。
しかしいつでも”決断が早い人”=”頭が良い”と思い込んでしまうと先ほど述べたように物事を深く考えていないケースがありとても危険だと思う。
一方で、決断が遅い人を頭の回転が遅く能力が低い人と判断してしまうことも同様に危険である。
トルク思考とスピード思考
エンジニアリングをかじったことがある人間であれば、トルクとスピードはトレードオフであることは常識だと思う。
例えば上下するエレベータのようなもので、スピードを速めるとトルクが小さくなるので沢山の人を運べない。逆にゆっくり動作させると沢山の人を運べる。
これは思考についてもいえると元ガイナックス社長の岡田斗司夫氏が話されていて面白かったので紹介する。
概要は深い思考をするために思考のスピードをわざと遅くするのだそうだ。
思考のスピードを遅くすることで意識的に深い思考にする。
これを文章を書くことで実現するそうだ。
類似の話で、スローリーディングという概念もある。
時間のないビジネスマン界隈で人気の速読の真逆である。
ゆっくりと考えながら本を読むこと。
個人的には、力になるのはスローリーディングで、必要なライトな情報を効率よく取得した場合のみ速読は役に立つと感じている。
スローリーディングの方が力になることや読書の面白さに気付くことができる良例として下記の『わかったつもり』という本があるので紹介してブログを終える。
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