生産技術、工程を自動化する その1
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僕は某メーカで生産技術をしている。
セル生産方式のメーカーなので多少偏見があるかもしれないが、一つの例として参考にしてほしい。
生産技術のミッションについて、過去記事にインプット量を減らしてアウトプット量を維持することだと書いた。
これはつまり、製造工数を減らすことで同じ量の製品を作った場合により多くの利益を出すことになる。
製造工数を減らす常用手段は自動化だ。
人が作業する余地をなくす。
ロボットが勝手に長時間働き続けて、どんどんモノを生産していく。
あなたも似たようなことは経験があるのではないか?
大量の処理をプログラミングを駆使して、勝手にパソコンにやらせてしまえば、その間は遊んでいても成果が出る。学生が単純作業をこなすときの常套手段だ。
生産技術が関わる仕事は超乱暴にいうと、組み立てと調整の二つしかない。
昨今のスマートファクトリー化もあって、なんでもかんでも自動化しましょうという流れはあるにはある。しかし自動化を考える際に、必ず押さえとかなければいけないことがある。
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それは、
- 組み立てと自動化は相性が悪い。
- 調整と自動化は相性が良い。
ことだ。
ここを意識せずに自動化という言葉に踊らされると費用をかけた割に結果が出てこない。
自動化を狙うべきは調整の一択だ。
勿論、組み立ての一部を自動でやるのはよいと思う。ネジ締めを自動化、トルク管理を自動化、そういったことはできるが、全部は無理だと個人的には思う。
特にセル生産で、多品種少量生産をやっているようなメーカーで組み立てを自動化なんてファンタジーだ。
でも調整は自動化できる余地がある。
考えるときのポイントは、
- 自動化するときの障害となるポイントを洗い出す。
- 障害が自動化できる方法を検討する。
- 自動化が無理そうであれば前工程の組み立て時に調整できないかを検討する。
である。
組み立てはどうせ手を使うのだから、このタイミングで自動化できない調整はやれるように考える。
自動化できるかたまりで固めてしまえば比較的容易になるのだ。
つまりこれも工程設計だが、いきなり全部を狙うのでなくこの部分だけはやると決めて取り組む方が確実によい。
その2は続く。