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生産技術というエンジニアを知っていますか?その1

【最新】生産技術エンジニアのお仕事

僕は某メーカで生産技術という仕事をしている。

 

元々は開発技術部門に所属していたが、自分が手掛けた新製品の開発完了と同時に生産技術へと異動になった。一般的な言葉ではジョブローテーションなどといって企業ではよくある異動の話だ。

 

ところで、あなたは生産技術という仕事をご存じだろうか?

 

おそらくあんまり知っている人はいないと思う。

少なくとも僕の奥さんは知らなかった。

#とほほ

 

僕は地方の工場への出張が多い。

何故なら、担当している製品が地方の工場で製造されているからだ。時期にもよるが、新製品開発完了時など、多い時には月に2~3度くらいの頻度で地方都市へ出張する。

 

そんな僕の出張中に奥さんがママ友と集まって遊んだらしいのだが、僕の出張話になり、今は地方の工場に出張しているというと、「えっ、地方の工場に何をしに行っているの?生産ラインで製品を実際に作るってこと?」となったらしい。

「でもそんな感じじゃないし、多分違うよね。」

「えっでもじゃあ工場で何をしているんだろう…」となり、結局誰も正解がわからず、次の話題に進んだらしい。

さらに、追い討ちをかけてショックだったのが、奥さんもその時初めて

「旦那さんって一体何をしているのだろう」と疑問に思ったらしいのだ。

#おいおい、もっと興味もってくれー

 

さてさて、僕や世界中の生産技術というエンジニアが何をしているかを説明させていただく。中には僕の個人的見解も入っていることをご了承いただきたい。

一般的な教科書などに書いている内容というわけでもないので、あくまで僕の経験値のままにわがままに僕は僕のことだけを書く。

#ちょいB'z

 

生産技術とは会社によって、仕事の守備範囲が若干異なるが、大きく分けて二つのミッションを持っているといえる。

 

それは、

  • 効率よく製品を製造する方法を開発する。
  • 製造を止めない。

の二つのミッションだ。

 

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一つ目の”効率よく製品を製造する方法を開発する。”から説明する。

効率よく生産するとは生産性を上げることだ。

生産性を上げるとは、インプット量を減らしても、同じアウトプット量を維持することだが、製造で考えたときにインプットというのは、時間、人、お金(モノ)になる。

また、製品を作るときには、少し乱暴に説明すると”組み立て”と”調整”の二種類があることを念頭に置いて続きを読んでほしい。

 

まずインプットの中で、分かりやすい時間から説明する。

 

同じ品質のアウトプットならば少ない時間で完成したほうがいいに決まっている。

長い時間をかけて作ったことが付加価値になることは工業製品においてはありえない。

我々はアーティストではなく、一回性などに興味はなく、再現性を狙う人間だ。

なのでこの問題をクリアするために、少ない時間で組み立て可能な製造設備導入や調整工程の時間削減を考える。

 

具体例を挙げて説明する。

例えば、組み立てた後に調整をする製品があるとする。

 

組み立て後に調整をすると、ここのカバーを折角付けたのにまた外して調整して取り付けるという無駄な作業が発生する、とする。

 

その解決策として、組み立て途中で調整できるように製造設備を開発する、または製造方法を工夫するなどを行い、無駄な作業が発生しないように考える。

 

こういったモノを作る順番を考えて、どうやったら効率よく作ることができるのか、改善することが生産技術のミッションなのだ。

 

次に人だ

人は能力に個人差がある。

しかし基本的に工賃というのは同じ会社の中であれば誰が組み立てをしても一緒だ。

 

作業者によっては早い人もいれば、遅い人もいる。

なので誰もが達成可能な工数(組み立てができる時間)ということで標準工数というのが設定されている。

トラブルがなければこの時間内で全員完成できますよ〜という時間だ。

(正確には、標準工数は作業者の平均値に安全係数を加味した数字となる。)

 

こういった人によって差があるというのはチャンスだ。

 

早い人は何故早いのかを分析すれば生産性の改善につながるからだ。

 

早い人はここをこうやっているのか、遅い人はここをこうやっているのか、と分析して作業手順書に早い人がやっているやり方を反映してしまう。

そうすると遅い人もそのやり方でやり始めるので標準工数がどんどん下がる。

 

これは簡単な例だが、一朝一夕ではうまくいかない、器用さなどといった能力の問題もある。

 

能力はすぐに改善されない。

なので不器用な人でも簡単にできちゃう製造設備を作って、器用な人と不器用な人の差がなくなくすようにするのも重要だ。イメージとしては何にも知らない茶髪のおねーちゃんでもひょひょいと簡単に組み立てて調整できる設備を開発できる能力があるか。

 

それが生産技術というエンジニアに求められるものである。

 

これだけ聞くと、器用な人の良さを奪うようにも聞こえるがそうではない。

 

器用は人は、より高度な技術力が必要な高難度の組み立てをしてもらえばよい。

 

製造設備の開発に使える時間もお金も有限なので、すべての作業を効率化できるわけではないのだから、できないところは器用な人にやってもらうのである。

 

最後にお金。

 

これは設計まで口を出すことになる。

こうやって加工したものの方が安くなる。

こういう仕込みをいれてくれれば工数が削減できる。

品質にも影響を与えない。

だから設計を変更してくれと技術部門に掛け合うのが生産技術だ。

 

少し長くなったのでその2に続きを書く。 

 

the-ark.hatenablog.jp