STUDY JUICE ~5minitus hacks~

コスパよく学びたい人のための学びのジュースみたいなブログ

意味のないマイ儀式で集中力をアップさせる!?

一見意味のない”マイ儀式”があなたの集中力を高め、成績を向上させることができるなんて信じられるだろうか?

 

面白い本を読んだので紹介する。

ヤバイ集中力 というライフハック本だ。

 

ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45

価格:1,540円
(2020/9/26 20:10時点)
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目次

 

ヤバイ集中力 作者 鈴木 祐

この本は様々なライフハック(生産性を上げるのに役立つテクニック)が具体的に書かれていてとても役に立つ本だ。ものすごくわかりやすい。簡単にだが説明する。

まず導入部では人間の心は本能と理性の二つに分かれていることの説明がある。

そして二つに分かれている心を”獣”≒本能、”調教師”≒理性として比喩表現している。

これは現代の心理学、行動経済学でもスタンダードな考え方であり心理学では専門用語で”ヒューリスティックス”と”分析的思考”と呼び、行動経済学では”システム1”と”システム2”と区別しているそうだ。

色々述べたが要は獣は人間の「衝動」、調律師は人間の「理性」を表現している。

 

集中力は存在しない。

集中力は存在しないといわれるとびっくりされると思うが、作者の主張は集中力という単一の能力は存在しないということだ。

つまり集中力は複雑な要因の掛け算で構成されている。

集中するという作業において時系列順に記載すると具体的に以下のようになる。

  • 自己効力感
  • モチベーション管理能力
  • 注意の持続力
  • セルフコントロール能力

 

聞き慣れない言葉も多いと思うので、ひとつずつ説明する。

 

集中力するための4つの壁

集中するには4つの能力、または壁と表現してもいいと思うが、以下の壁をクリアしていく必要がある。

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(1)自己効力感

自己効力感とは「自分は難しいことでもやり遂げられるのだ」と自然に思える心理状態のことだ。この感覚がないと簡単な作業でも難しく感じられてしまい、はじめの一歩を踏み出せなくなるそう。

自分はできない人間だと思っている人間は、実際にやるのが億劫になり、実際にやらなくなるので本当にできなくなるということだ。

苦手な分野だと公言していることは、はなから考えることを放棄している人が多いが、まさに自己効力感が低くなっているためにこういった現象が起きている。

 

(2)モチベーション管理能力

気持ちを高めていく能力。

気持ちが乗らないときに必要となってくる管理能略だ。

自己効力感とモチベーション管理能力があって、やっと集中のスタートラインに立てる。

 

(3)注意の持続力

対象にひたすら注意を向け続ける能力。

この持続力は人によって異なるが、注意モードに入ったとしても、平均して20分前後が持続の限界だそうだ。

この活動限界を伸ばすことはとても難しいので、基本的は脳を効率よく使うテクニックを学ぶしかないのだそう。

 

(4)セルフコントロール能力

集中を阻害するのは外部要因だけでなく、内部からもある。

内面の記憶からも、邪魔がはいるがそれをどれだけ排除できるかである。

例えば、仕事で資料作成中に、”XX製品の故障率が上がった”などの情報について考えているときに、故障といえば、YY製品の不具合原因ってなんだっけ?などと故障をキーワードに別の記憶が連想されて、目の前のことから注意がそれてしまい集中が崩壊してしまう、こういった連想を自己を律して制御し続ける能力が、セルフコントロール能力である。

 

こういった背景があるために、集中力について深く考えるためには、複数の能力を組み込めるような話の土台が必要であるため、作者は「獣と調律師」のメタファーを使い、集中力の正体をつかむためのフレームワークとしている。

 

ちょっと脱線。ポモドーロテクニック

(3)注意の持続力であった注意限界が20分という話。

20分集中と聞くと、超有名ライフハックを思い出す。

ポモドーロテクニックだ。

知らない方のために少し説明させていただく。

ポモドーロテクニックは、25分の仕事と5分の休憩を繰り返すことで、高い集中を継続するためのライフハックだ。

ポモドーロとはイタリア語でトマトのことで、このライフハックの発案者が、トマト型のキッチンタイマーを使って始めたことに由来している。

愛用のAPPLE WATCHにはポモドーロテクニック用のアプリがあって重宝している。Flashtomatoというアプリだ。

スマホで使用するよりも絶対APPLE WATCHがお薦めだ。

理由は、二点ある。

ひとつは、スマホは視界に入るだけで、我々の集中を妨げるデバイスであることが実験の結果わかっているからである。仕事に集中するには、スマホを視界に入れてはいけない。

ふたつめは、お知らせの仕方である。

スマホは振動で知らせる場合、ポケットの中に入れておくとわかりにくい。

かといって、机の上に置いておくと視界に入ってしまう。

アラームを鳴らすと周りの迷惑になる。

こういった理由から、APPLE WATCHでさりげなく振動で伝えてくれるのがありがたい。

 

マイ儀式が集中に与える影響

試験前に指を10回ならすだけで、成績が21%アップ

集中の正体についての説明等は本を読んでいただきたいが、個人的に面白かったのが意味のないマイ儀式で成績が上がるということ。

意味のない指鳴らしでも儀式化してから取り組みことで成績が向上した結果が得られているのだ。

理由については、人類は古来より様々な儀式を行ってきた。

今でも宗教などによって執り行われている儀式は沢山ある。

さらにはラグビー五郎丸選手で有名になったルーティン。

あれも儀式のひとつである。験を担ぐなどともいわれることもあるが、ルーティンは人間の集中を高めるのに非常に役立つ。

基本的に儀式の定義は、心理学上、厳格さと反復という二つの特徴を持つあらかじめ決められた約束事(プロトコル)であるが、この反復が重要なキーワードとなる。

昔、我々の祖先が不確定性の高い環境で暮らしていた時代、同じタイミングで何度も目の前に現れる事象というのは生き残る上で非常に重要な要素であった。

一見無秩序に見える中にパターンを見つけ、将来を予測した者だけが、生き残れたからである。そのため本能レベル、つまり心の獣部分が、反復に強く反応するようになったと作者は説明する。

こういった背景を受けて、反復に対してモチベーションが高くなるよう刷り込まれた人間の力を、良い方向へと導くようにしてやるのが、すごい集中を入れるためのライフハックとなる。