店選びは,”人”重視になってきている。
店選びは,”人”重視になってきている。
新しい基準
あなたはお店を選ぶときに何を考えて選んでいますか?
例えば,飲食店の場合は?
人によっては食べログの評価?
友人からの口コミ?
珍しい料理があるから?
色んなケースが想定されると思うが,今,少しずつ世の中は,お店検索から人検索へと変わりつつある。
ファンの獲得が,エンタメ業界だけでなく,飲食業界にも求められているようだ。
飲食業界を襲ったコロナ
コロナ禍で飲食業は大打撃。
僕はバスで会社まで通勤しているが,通勤途中につぶれた店を見ることも珍しくなくなった。
がらんとして人気(ひとけ)のなくなったドアの前に,小さな貼り紙が張られている。
どんな思いで貼ったのか?
悔しさや悲しみを想像すると胸が痛い。
まともな政府だったら,救えたお店もあっただろう。
そういった光景を見ているので,近所で好きなお店には応援の意味で,なるべくコロナ後も通うようにした。奥さんの家事の息抜きも兼ねて,土日のランチは応援したいお店のお弁当を買いにいくようになった。
あの人にはずっとお店を続けてほしい。
その応援したい思いで買いに行った。
人は購入するときに,購入する理由が多いほど,購入する確率が高くなるという。
今回のケースで言うと,
お腹が空いたから買う。
奥さんの家事の息抜きで買う。
だけでなく,
あの人のお店を応援したいから。
が追加されたから,足繁く通うことになった。
買う理由,通う理由が沢山あるお店は,コロナ禍でも強い。
お客さんが来てくれる理由が多いお店というのは,ファンが多いことを意味する。
買い物とはどんな社会にしたいのかへの投票。
10年前くらいだったろうか(今も変わっていないかもしれない。),シサムコウボウというお店のキャッチコピー(ひょっとすると社是?)で,
買い物とは,どんな社会にしたいかへの投票である,
的なものがあった。(すいません,正確には覚えていません。)
すごく素敵な言葉だなと思い,何かの拍子に何度も思い出し、ああ,これもこのパターンだなと感じることがあったが,まさにコロナ禍でもズバッとはまった感じがある。
僕はチェーン店で安さだけを売りにしている,お店に愛着のないバイトだけの店には,お金をなるべく落としたくない。個人経営点が割高であっても,チェーン店に僕が稼いだお金を落とすのは,もったいないと感じるからだ。
続けてほしい好きなお店にお金を落とす。
自分が望む未来へのこれもいわば投資だ。
画一化された味気ないつまらない店ばかりが増えたら悲しい。
ビジョンのある血の通った店を残したい。
そういう社会に一票を投じたい。
こんな素敵な言葉を与えてくれたシサムコウボウさんは,フェアトレードの商品を数多く扱っており,搾取されがちな弱い立場の生産者を支援する企業だ。
つまりシサムコウボウさんでの買い物が一部寄付となったり弱者の応援となるのだ。
これが,先ほどの
買い物とは,どんな社会にしたいかへの投票である,
に繋がる。
こういった理念に賛同する人は多い。
また,近年ますます増えていると思う。
弱い立場に人にお金が正当に渡されますように。
当たり前のことだが,この社会は当たり前のことがされないことが多い。
不条理だ。
フェアトレードは寄付とは違うが,自分の買い物が弱い立場の人に渡されるのであれば喜んでお金を使う人は多い。
これも先の購入する理由が多いと人が購入するにつながる。
シサムコウボウでのできごとから10年である。
こういった支援したい,支えたい,自分が価値あるものだけにお金を払いたいという思いは,気づくと飲食店の店選びにも拡がっている。
この動きはどんどん加速していき,きっと他の分野にも拡散していく。
ファンは応援したい人にお金がきちんとわたる社会を望むのは当たり前だ。
Youtubeに芸能人が参加し始めた。
Youtubeでもダイレクト課金といわれる要は,広告を介さずにサブスクで一定額課金することで好きなタレントの動画やサービスが受けられるような動きが加速している。
仲介にお金を搾取されないように,ダイレクト課金というシステムは芸能人が事務所から自立するための一つの答えかもしれない。
ただし,実力社会。
スポンサーから気に入られていた好感度だけのタレントでは厳しいという意見がある。
これからどのような媒体でどのように生きるかも戦略的に考える時代なのだろう。
人検索,理念検索
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いずれ人検索,理念の検索が始まりお店を探すのだろう。
このお店にはこういった店主がいて,こういった活動をしている。
こういった価値を大事にしていて,賛同してくれる人は応援してほしい。
逆に理念を持たないようなお店は,人気がなくなっていくだろう。
これからの時代,肩書を多くもっていなければいけないとよく耳にする。
AIや新技術,感染症などで時代の流れが読めず,これまで存在した職種の多くは不要となる。
一つの職業、肩書では,リスクが高いという。
飲食店もそうなのだろう。
一つの肩書では,集客力が小さくなっていく。
インスタグラマーで写真がうまい店長のお店。
無添加食品を割高でも使用するお店。
そういったことで差別化していくのだろう。
大手飲食チェーンは選別されていくのだろう。
外食は,意気投合した人々が店に集うようになる時代になるのだろう。
それは一昔前のコミュニティのようだ。
なじみの大将の店でなじみの客同士で酒を交わす。
異なるのは,SNSなどで店を探すようになる時代かどうかか。
個人店舗ではSNSでの発信というのは効率が悪い問題は残るので,どこかのSNSでのコミュニティに属する必要はあるかもしれない。
理念を共有した単一の企業でないが,組合的な組織が作られ,コミュニティ内の店が共有され,応援される時代になるかもしれない。
いや,一部でそうなっていることを僕は知っている。
もう始まっているのだ。
面白い時代が来るなと思う。
お店同士の相関図が作られ,動画配信のように,おすすめ店舗がSNS上に案内される時代が間もなく来るのだろう。
同じ理念を持った店に横のつながりが生まれ,大企業に挑んでくるコミュニティがきっとすぐに生まれるのだろう。そのコミュニティ内には,洋服屋,美容室,歯医者,飲食,クリーニング屋,八百屋,精肉屋そんな一つの商店街のような形で,店が並ぶのだろう。
このエンジニアが開発しました
野菜の顔が見える生産者と同じことをしたら
さて,他人事のように言うがメーカの世界にはどのような変化があるだろうか?
メーカも安いものを,優れた仕様の製品を世に出すという流れから少し変わるかもしれない。
人は人からモノを買う。
信用が大事だ。
高額なものであればあるほどそうだ。
メーカの世界にもやってくるかもしれない人検索。
信頼のおけるエンジニアの関わった製品と紹介されるかもしれない。
野菜で”私がつくりました”的な顔の見える生産者の広告である。
私が作りましたのエンジニアの広告は面白い。
エンジニアにもいいプレッシャーになる。
人は力を出すために,注目されていることが大事らしい。
過去にある工場で生産性を向上させるための実験をしたが,不思議なことが起きたらしい。
生産ラインをこういう風に変更する、といったことをした後に生産性が向上した。
ではその効果を再確認するために,変更した箇所を元に戻す,つまり狙いとしては生産性を落とす変更をしたところ,不思議なことにまた生産性が向上したらしい。
結局この実験で分かったのは,人は注目を浴びると生産性が向上するということだ。
何がいいたいかというと,エンジニアも外部からの注目があれば,より生産性が向上するだろう。
というわくわくする妄想を暇つぶしにした。
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